山形大学医学部

内科学第三講座(第三内科)

神経内科・糖尿病内科・代謝内分泌内科・血液内科(第三内科)

所在地
連絡先

〒990-9585
山形県山形市飯田西2-2-2
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FAX 023-628-5318
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医学生・研修医の方へ

 

山形大学医学部附属病院内科専門医研修プログラム

 

目次

1.山形大学医学部附属病院内科専門医研修プログラムの概要

2.内科専門医研修はどのように行われるのか

3.専攻医の到達目標(修得すべき知識・技能・態度など)

4.各種カンファレンスなどによる知識・技能の習得

5.学問的姿勢

6.医師に必要な倫理性,社会性

7.施設群による研修プログラムおよび地域医療についての考え方

8.年次毎の研修計画

9.専門研修の評価

10.専門研修プログラム管理委員会

11.専攻医の就業環境(労働管理)

12.研修プログラムの改善方法

13.修了判定

14.専攻医が研修プログラムの修了に向けて行うべきこと

15.研修プログラムの施設群

16.専攻医の受け入れ数

17.Subspecialty領域

18.研修の休止・中断,プログラム移動,プログラム外研修の条件

19.専門研修指導医

20.専門研修実績記録システム,マニュアル等

21.研修に対するサイトビジット(訪問調査)

              22.専攻医の採用と修了

 

 

1、   理念・使命・特性

 理念

1)本プログラムは,山形県の国立大学である山形大学医学部附属病院を基幹施設として,山形県医療圏・近隣医療圏にある連携施設とで内科専門研修を経て山形県医療圏の医療事情を理解し,地域の実情に合わせた実践的な医療も行えるように訓練され,内科専門医としての基本的臨床能力獲得後はさらに高度な総合内科のGeneralityを獲得する場合や内科領域Subspecialty専門医への道を歩む場合を想定して,複数のコース別に研修をおこなって内科専門医の育成を行います.

2)初期臨床研修を修了した内科専攻医は,本プログラム専門研修施設群での3年間(基幹施設1-2年間+連携施設1-2年間;各施設での最低研修期間6か月)に,豊富な臨床経験を持つ指導医の適切な指導の下で,内科専門医制度研修カリキュラムに定められた内科領域全般にわたる研修を通じて,標準的かつ全人的な内科的医療の実践に必要な知識と技能とを修得します. 

内科領域全般の診療能力とは,臓器別の内科系Subspecialty 分野の専門医にも共通して求められる基礎的な診療能力を指します.また,知識や技能に偏らずに,患者に人間性をもって接すると同時に,医師としてのプロフェッショナリズムとリサーチマインドの素養をも修得して可塑性が高く様々な環境下で全人的な内科医療を実践する先導者の持つ能力です.

 

 使命

1)内科専門医として,(1)高い倫理観を持ち,(2)最新の標準的医療を実践し,(3)安全な医療を心がけ,(4)プロフェッショナリズムに基づく患者中心の医療を提供し,臓器別専門性に著しく偏ることなく全人的な内科診療を提供すると同時にチーム医療を円滑に運営できる研修を行います.

2)本プログラムを修了し内科専門医の認定を受けた後も,内科専門医は常に自己研鑽を続け,最新の情報を学び,新しい技術を修得し,標準的な医療を安全に提供し,疾病の予防,早期発見,早期治療に努め,自らの診療能力をより高めることを通じて内科医療全体の水準をも高めて,地域住民,日本国民を生涯にわたって最善の医療を提供してサポートできる研修を行います.

3)疾病の予防から治療に至る保健・医療活動を通じて地域住民の健康に積極的に貢献できる研修を行います.

4)将来の医療の発展のためにリサーチマインドを持ち臨床研究,基礎研究を実際に行う契機となる研修を行います.

 

 特性

1)本プログラムは,山形県の山形大学医学部附属病院を基幹施設として,山形県医療圏,近隣医療圏をプログラムとして守備範囲とし,必要に応じた可塑性のある,地域の実情に合わせた実践的な医療も行えるように訓練されます.研修期間は基幹施設1-2年+連携施設1-2年の合計3年間です.

2)本研修プログラムでは,症例をある時点で経験するということだけではなく,主担当医として,入院から退院〈初診・入院~退院・通院〉まで可能な範囲で経時的に,診断・治療の流れを通じて,一人一人の患者の全身状態,社会的背景・療養環境調整をも包括する全人的医療を実践します.そして,個々の患者に最適な医療を提供する計画を立て実行する能力の修得をもって目標への到達とします.

 

3) 基幹施設である山形大学医学部附属病院での2年間(専攻医2年修了時)で,「研修手帳(疾患群項目表)」に定められた70 疾患群のうち,少なくとも通算で45 疾患群,120症例以上を経験し,日本内科学会専攻医登録評価システム(仮称)に登録できます.そして,専攻医2年修了時点で,指導医による形成的な指導を通じて,内科専門医ボードによる評価に合格できる29症例の病歴要約を作成できます.

4) 連携病院が地域においてどのような役割を果たしているかを経験するために,原則として1年間,立場や地域における役割の異なる医療機関で研修を行うことによって,内科専門医に求められる役割を実践します.

5) 専攻医3年修了時で,「研修手帳(疾患群項目表)」に定められた70 疾患群のうち,少なくとも通算で56 疾患群,160症例以上を経験し,日本内科学会専攻医登録評価システム(仮称)に登録できる体制とします.そして可能な限り,「研修手帳(疾患群項目表)」に定められた70 疾患群,200症例以上の経験を目標とします.

 

 専門研修後の成果

1)地域医療における内科領域の診療医(かかりつけ医):地域において常に患者と接し,内科慢性疾患に対して,生活指導まで視野に入れた良質な健康管理・予防医学と日常診療を実践します.

2)内科系救急医療の専門医:内科系急性・救急疾患に対してトリアージを含めた適切な対応が可能な,地域での内科系救急医療を実践します.

3)病院での総合内科(Generality)の専門医:病院での内科系診療で,内科系の全領域に広い知識・洞察力を持ち,総合内科医療を実践します.

4)総合内科的視点を持ったSubspecialist:病院での内科系のSubspecialtyを受け持つ中で,総合内科(Generalist)の視点から,内科系subspecialistとして診療を実践します.

 

  本プログラムでは山形大学医学部附属病院を基幹病院として,多くの連携施設と病院群を形成しています.複数の施設での経験を積むことにより,様々な環境に対応できる内科専門医が育成される体制を整えています.

 

 

2、  内科専門医研修はどのように行われるのか

1)研修段階の定義:内科専門医は2年間の初期臨床研修後に設けられた専門研修(専攻医研修)3年間の研修で育成されます.

 

2)専門研修の3年間は,それぞれ医師に求められる基本的診療能力・態度・資質と日本内科学会が定める「内科専門研修カリキュラム」(別添)にもとづいて内科専門医に求められる知識・技能の修得目標を設定し,基本科目修了の終わりに達成度を評価します.具体的な評価方法は後の項目で示します.

3)臨床現場での学習:日本内科学会では内科領域を70疾患群(経験すべき病態等を含む)に分類し,代表的なものについては病歴要約や症例報告として記載することを定めています.日本内科学会専攻医登録評価システム(仮称 以下,「専攻医登録評価システム」)への登録と指導医の評価と承認とによって目標達成までの段階をup to dateに明示することとします.各年次の到達目標は以下の基準を目安とします.

 

○専門研修1

症例:カリキュラムに定める70疾患群のうち,20疾患群以上を経験し,専攻医登録評価システムに登録することを目標とします.

技能:疾患の診断と治療に必要な身体診察,検査所見解釈,および治療方針決定を指導医とともに行うことができるようにします.

態度:専攻医自身の自己評価,指導医とメディカルスタッフによる360度評価とを複数回行って態度の評価を行い担当指導医がフィードバックを行います.

 

○専門研修2

疾患:カリキュラムに定める70疾患群のうち,通算で45疾患群以上を(できるだけ均等に)経験し,日本内科学会専攻医登録評価システム(仮称)に登録することを目標とします.

技能:疾患の診断と治療に必要な身体診察,検査所見解釈,および治療方針決定を指導医の監督下で行うことができるようにします.

態度:専攻医自身の自己評価,指導医とメディカルスタッフによる360度評価を複数回行って態度の評価を行います.専門研修1年次に行った評価についての省察と改善とが図られたか否かを指導医がフィードバックします.

 

○専門研修3

疾患:主担当医として,カリキュラムに定める全70疾患群,計200症例の経験を目標とします.但し,修了要件はカリキュラムに定める56疾患群,そして160症例以上(外来症例は1割まで含むことができる)とします.この経験症例内容を専攻医登録評価システムへ登録します.既に登録を終えた病歴要約は,日本内科学会病歴要約評価ボード(仮称)による査読を受けます.

技能:内科領域全般について,診断と治療に必要な身体診察,検査所見解釈,および治療方針決定を自立して行うことができるようにします.

態度:専攻医自身の自己評価,指導医とメディカルスタッフによる360度評価を複数回行って態度の評価を行います.専門研修2年次に行った評価についての省察と改善とが図られたか否かを指導医がフィードバックします.また,基本領域専門医としてふさわしい態度,プロフェッショナリズム,自己学習能力を修得しているか否かを指導医が専攻医と面談し,さらなる改善を図ります.

1週間のスケジュール;消化器内科の例

灰色部分は特に教育的な行事です

 

土日

午前

受け持ち患者情報の把握

症例検討会

受け持ち患者把握

週末日直

超音波

内視鏡

病棟

病棟

内視鏡

午後

病棟

病棟

ERCP

総回診

病棟

 

 

 

 

抄読会

 

 

カンファレンス

 

カンファレンス

 

 

 

 

当直(1/週)

 

 

なお,専攻医登録評価システムの登録内容と適切な経験と知識の修得状況は指導医によって承認される必要があります.

 

【専門研修1-3年を通じて行う現場での経験】

専攻医2年目以降から初診を含む外来(1回/週以上)を通算で6ヵ月以上行います.

当直を経験します.

 

4)臨床現場を離れた学習

①内科領域の救急,②最新のエビデンスや病態・治療法について専攻医対象のモーニングセミナーやイブニングセミナーが開催されており,それを聴講し,学習します.受講歴は登録され,充足状況が把握されます.内科系学術集会,JMECC(内科救急講習会)等においても学習します.

 

5)自己学習

研修カリキュラムにある疾患について,内科系学会が行っているセミナーのDVDやオンデマンドの配信を用いて自己学習します.個人の経験に応じて適宜DVDの視聴ができるよう図書館またはIT教室に設備を準備します.また,日本内科学会雑誌のMCQやセルフトレーニング問題を解き,内科全領域の知識のアップデートの確認手段とします.週に1回,指導医とのWeekly summary discussionを行い,その際,当該週の自己学習結果を指導医が評価し,研修手帳に記載します.          

 

6)大学院進学

大学院における臨床研究は臨床医としてのキャリアアップにも大いに有効であることから,臨床研究の期間も専攻医の研修期間として認められます.臨床系大学院へ進学しても専門医資格が取得できるプログラムも用意されています(項目8:P.7-11を参照).

 

7)Subspecialty研修

後述する各科重点コースにおいて,それぞれの専門医像に応じた研修を準備しています.Subspecialty研修は3年間の内科研修期間の,いずれかの年度で最長1年間について内科研修の中で重点的に行います.大学院進学を検討する場合につきましても,こちらのコースを参考に後述の項目8(P.7,8)を参照してください.

 

 

3、    専門医の到達目標 項目2-3)を参照

 

1)3年間の専攻医研修期間で,以下に示す内科専門医受験資格を完了することとします.

   70に分類された各カテゴリーのうち,最低56のカテゴリーから1例を経験すること.

   日本内科学会専攻医登録評価システムへ症例(定められた200件のうち,最低160)を登録し,それを指導医が確認・評価すること.

   登録された症例のうち,29症例を病歴要約として内科専門医制度委員会へ提出し,査読委員から合格の判定をもらうこと.

   技能・態度:内科領域全般について診断と治療に必要な身体診察,検査所見解釈,および治療方針を決定する能力,基本領域専門医としてふさわしい態度,プロフェッショナリズム,自己学習能力を修得すること.

なお,習得すべき疾患,技能,態度については多岐にわたるため,研修手帳を参照してください.

  2)専門知識について

内科研修カリキュラムは総合内科,消化器,循環器,内分泌,代謝,腎臓,呼吸器,血液,神経,アレルギー,膠原病および類縁疾患,感染症,救急の13領域から構成されています.山形大学医学部附属病院には9つの内科系診療科があり,そのうち5つの診療科(内分泌・代謝内科,呼吸器・アレルギー内科,腎臓・膠原病内科,腫瘍内科,心療・緩和ケア内科)が複数領域を担当しています.また,救急疾患は各診療科やER科によって管理されており,山形大学医学部附属病院においては内科領域全般の疾患が網羅できる体制が敷かれています.これらの診療科での研修を通じて,専門知識の習得を行ないます.さらに関連施設の山形県立中央病院、日本海総合病院、公立置賜総合病院、山形県立新庄病院、山形県立河北病院、山形市立病院済生館、米沢市立病院、北村山公立病院、鶴岡市立荘内病院、済生会山形済生病院、三友堂病院、至誠堂病院、山形病院、新庄徳洲会病院、石巻赤十字病院(以上、連携施設)、篠田総合病院、小国町立病院、最上町立病院、朝日町立病院、余目病院、みゆき会病院、鶴岡協立病院、国立米沢病院、白鷹町立病院、舟山病院、真室川町立病院(以上特別連携施設)などを加えた専門研修施設群を構築することで,より総合的な研修や地域における医療体験が可能となります.患者背景の多様性に対応するため,地域または県外病院での研修を通じて幅広い活動を推奨しています.

 

 4、各種カンファレンスなどによる知識・技能の習得

1)朝カンファレンス・チーム回診

朝,患者申し送りを行い,チーム回診を行って指導医からフィードバックを受け,指摘された課題について学習を進めます.

2)総回診:受持患者について教授をはじめとした指導医陣に報告してフィードバックを受けます.受持以外の症例についても見識を深めます.

3)症例検討会(毎週):診断・治療困難例,臨床研究症例などについて専攻医が報告し,指導医からのフィードバック,質疑などを行います.

4)診療手技セミナー(毎週):例:心臓エコーを用いて診療スキルの実践的なトレーニングを行います.

5)CPC:死亡・剖検例,難病・稀少症例についての病理診断を検討します.

6)関連診療科との合同カンファレンス:関連診療科と合同で,患者の治療方針について検討し,内科専門医のプロフェッショナリズムについても学びます.

7)抄読会・研究報告会(毎週):受持症例等に関する論文概要を口頭説明し、意見交換を行います.研究報告会では講座で行われている研究について討論を行い,学識を深め,国際性や医師の社会的責任について学びます.

8)学生・初期研修医に対する指導:病棟や外来で医学生・初期研修医を指導します.後輩を指導することは,自分の知識を整理・確認することにつながることから,当プログラムでは,専攻医の重要な取組と位置づけています.

 

 5、学問的姿勢

患者から学ぶという姿勢を基本とし,科学的な根拠に基づいた診断,治療を行います(evidence based medicineの精神).最新の知識,技能を常にアップデートし,生涯を通して学び続ける習慣を作り、リサーチマインドの養成をおこないます.また,日頃の診療で得た疑問や発想を科学的に追求するため,症例報告あるいは研究発表を奨励します.主に内科学会地方会での症例報告を中心とした学会発表を標準的な目標とし、さらに全国レベルの学会や国際学会への発表も専攻医の研修レベルに応じて可能となる指導をします.論文の作成は科学的思考や病態に対する深い洞察力を磨くために極めて重要なことであり,内外へ広く情報発信する姿勢も高く評価されます.

 6、医師に必要な,倫理性,社会性

医師の日々の活動や役割に関わってくる基本となる能力,資質,態度を患者への診療を通して医療現場から学びます.

山形大学医学部附属病院(基幹病院)において症例経験や技術習得に関して,単独で履修可能であっても,連携施設において,地域住民に密着し,病病連携や病診連携を依頼する立場を経験することにより,地域医療を実施します.そのため複数施設での研修を行うことが望ましく,全てのコースにおいてその経験を積みます.詳細は項目8(P.8,9)を参照してください.

地域医療を経験するため,全てのプログラムにおいて連携施設、特別連携施設(山形県立中央病院、日本海総合病院、公立置賜総合病院、山形県立新庄病院、山形県立河北病院、山形市立病院済生館、米沢市立病院、北村山公立病院、鶴岡市立荘内病院、済生会山形済生病院、三友堂病院、至誠堂病院、山形病院、新庄徳洲会病院、石巻赤十字病院(以上、連携施設)篠田総合病院、小国町立病院、最上町立病院、朝日町立病院、余目病院、みゆき会病院、鶴岡協立病院、国立米沢病院、白鷹町立病院、舟山病院、真室川町立病院(以上特別連携施設)などでの研修期間を設けています.専攻医,連携施設では基幹施設で研修不十分となる領域を主として研修します.入院症例だけでなく外来での基本となる能力,知識,スキル,行動の組み合わせを指します.なお,連携病院へのローテーションを行うことで,地域においては,人的資源の集中を避け,派遣先の医療レベル維持に貢献します.

 

基幹施設,連携施設を問わず,患者への診療を通して,医療現場から学ぶ姿勢の重要性を知ることができます.インフォームド・コンセントを取得する際には上級医に同伴し,接遇態度,患者への説明,予備知識の重要性などについて学習します.医療チームの重要な一員としての責務(患者の診療,カルテ記載,病状説明など)を果たし,リーダーシップをとれる能力を獲得できるようにします.

医療安全と院内感染症対策を充分に理解するため,年に2回以上の医療安全講習会,感染対策講習会に出席します.出席回数は常時登録され,年度末近くになると受講履歴が個人にフィードバックされ,受講を促されます.

 

 7、研修施設群による研修プログラムおよび地域医療についての考え方

山形大学医学部附属病院(基幹施設)において症例経験や技術習得に関して,単独で履修可能であっても,地域医療を実施するため,複数施設での研修を行うことが望ましく,全てのコースにおいてその経験を求めます.(詳細は項目1011を参照のこと)

地域医療を経験するため,全てのプログラムにおいて連携施設(山形県立中央病院、日本海総合病院、公立置賜総合病院、山形県立新庄病院、山形県立河北病院、山形市立病院済生館、米沢市立病院、北村山公立病院、鶴岡市立荘内病院、済生会山形済生病院、三友堂病院、至誠堂病院、山形病院、新庄徳洲会病院、石巻赤十字病院(以上、連携施設)、篠田総合病院、小国町立病院、最上町立病院、朝日町立病院、余目病院、みゆき会病院、鶴岡協立病院、国立米沢病院、白鷹町立病院、舟山病院(以上特別連携施設))などでの研修期間を設けています.連携病院へのローテーションを行うことで,人的資源の集中を避け,派遣先の医療レベル維持にも貢献できます.連携施設では基幹施設で研修不十分となる領域を主として研修します.入院症例だけでなく外来での経験を積み,施設内で開催されるセミナーへ参加します.

地域における指導の質および評価の正確さを担保するため,常にメールなどを通じて研修センターと連絡ができる環境を整備し,月に1回,指定日に基幹病院を訪れ,指導医と面談し,プログラムの進捗状況を報告します.

  8、年次毎の研修計画

 本プログラムでは専攻医が抱く専門医像や将来の希望に合わせて以下の 2つのコース,①内科基本コース,②各科重点コース,を準備しています.コース選択後も条件を満たせば他のコースへの移行も認められます.

Subspecialtyが未決定,または高度な総合内科専門医を目指す場合は内科基本コースを選択します.専攻医は各内科学部門ではなく,総合医学教育研修センター(研修センター)に所属し,3年間で各内科や内科臨床に関連ある救急部門などを3ヵ月毎にローテートします.将来のSubspecialtyが決定している専攻医は各科重点コースを選択し,各科を原則として2ヵ月毎,研修進捗状況によっては1ヵ月-3ヶ月毎にローテーションします.

いずれのコースを選択しても遅滞なく内科専門医受験資格を得られる様に工夫されており,専攻医は卒後5-6年で内科専門医,その後Subspecialty領域の専門医取得ができます.

   内科基本コース(別資料参照)

内科(Generality)専門医は勿論のこと,将来,内科指導医や高度なGeneralistを目指す方も含まれます.将来のSubspecialtyが未定な場合に選択することもあり得ます.内科基本コースは内科の領域を偏りなく学ぶことを目的としたコースであり,専攻医研修期間の3年間において内科領域を担当する全ての科をローテーションします.原則として4ヵ月を 1単位として,1年間に3科,3年間で延べ7科を基幹施設でローテーションします.3年目は地域医療の経験と症例数が充足していない領域を重点的に連携施設で研修します.

連携施設としては山形県立中央病院、日本海総合病院、公立置賜総合病院、山形県立新庄病院、山形県立河北病院、山形市立病院済生館、米沢市立病院、北村山公立病院、鶴岡市立荘内病院、済生会山形済生病院、三友堂病院、至誠堂病院、山形病院、新庄徳洲会病院、石巻赤十字病院(以上、連携施設)、篠田総合病院、小国町立病院、最上町立病院、朝日町立病院、余目病院、みゆき会病院、鶴岡協立病院、国立米沢病院、白鷹町立病院、舟山病院(以上特別連携施設)などで病院群を形成し,いずれかを原則として1年間ローテーションします(複数施設での研修の場合は研修期間の合計が1年間となります).研修する連携施設の選定は専攻医と面談の上,プログラム統括責任者が決定します.

Subspecialtyが未決定,または高度な総合内科専門医を目指す場合は内科基本コースを選択します.専攻医は各内科学部門ではなく,高度医療人研修センター(山形大学医学部地域医療人キャリアアップ推進講座内)に所属し,3年間で各内科や内科臨床に関連ある救急部門などをローテートします.

内科基本コースは内科の領域を偏りなく学ぶことを目的としたコースであり,専攻医研修期間の3年間において内科領域を担当する全ての科をローテーションします.原則として34ヵ月を 1単位として,1年間に34科,3年間で延べ7科を基幹施設でローテーションします.3年目は地域医療の経験と症例数が充足していない領域を重点的に連携施設で研修します.

 

  各科重点コース(別資料参照) 

希望するSubspecialty領域を重点的に研修するコースです.研修開始直後の4か月間は希望するSubspecialty領域にて初期トレーニングを行います.この期間,専攻医は将来希望する内科において理想的医師像とする指導医や上級医師から,内科医としての基本姿勢のみならず,目指す領域での知識,技術を学習することにより,内科専門医取得へのMotivationを強化することができます.その後,4ヵ月間を基本として他科(場合によっては連携施設での他科研修含む)をローテーションします.研修3年目には,連携施設における当該Subspecialty科において内科研修を継続してSubspecialty領域を重点的に研修するとともに,充足していない症例を経験します.研修する連携施設の選定は専攻医と面談の上,希望するSubspecialty領域の責任者とプログラム

統括責任者が協議して決定します.また,専門医資格の取得と臨床系大学院への進学を希望する場合は,本コースを選択の上,担当教授と協議して大学院入学時期を決めて頂きます.

第1内科のモデルコース

第2内科のモデルコース

第3内科のモデルコース

腫瘍内科のモデルコース

 9、専門医研修の評価

形成的評価(指導医の役割)

指導医およびローテーション先の上級医は専攻医の日々のカルテ記載と,専攻医がWeb版の研修手帳に登録した当該科の症例登録を経時的に評価し,症例要約の作成についても指導します.また技術・技能についての評価も行います.年に1回以上,目標の達成度や各指導医・メディカルスタッフの評価に基づき,研修責任者は専攻医の研修の進行状況の把握と評価を行い,適切な助言を行います.

研修センターは指導医のサポートと評価プロセスの進捗状況についても追跡し,必要に応じて指導医へ連絡を取り,評価の遅延がないようにリマインドを適宜行います.

 

②総括的評価

専攻医研修3年目の3月に研修手帳を通して経験症例,技術・技能の目標達成度について最終的な評価を行います.29例の病歴要約の合格,所定の講習受講や研究発表なども判定要因になります.

最終的には指導医による総合的評価に基づいてプログラム管理委員会によってプログラムの修了判定が行われます.

この修了後に実施される内科専門医試験(毎年夏~秋頃実施)に合格して,内科専門医の資格を取得します.

③研修態度の評価

指導医や上級医のみでなく,メディカルスタッフ(病棟看護師長,臨床検査・放射線技師・臨床工学技士など)から,接点の多い職員5名程度を指名し,毎年3月に評価します.評価法については別途定めるものとします.

④ベスト専攻医賞の選考

プログラム管理委員会と総括責任者は上記の評価を基にベスト専攻医賞を専攻医研修終了時に1名選出し,表彰状を授与します.

⑤専攻医による自己評価とプログラムの評価

日々の診療・教育的行事において指導医から受けたアドバイス・フィードバックに基づき、Weekly summary discussionを行い,研修上の問題点や悩み,研修の進め方,キャリア形成などについて考える機会を持ちます.毎年3月に現行プログラムに関するアンケート調査を行い,専攻医の満足度と改善点に関する意見を収集し,次期プログラムの改訂の参考とします.アンケート用紙は別途定めます.

 

 10、専門研修プログラム管理委員会

1)研修プログラム管理運営体制 

本プログラムを履修する内科専攻医の研修について責任を持って管理するプログラム管理委員会を山形大学医学部に設置し,その委員長と各内科から1名ずつ管理委員を選任します.プログラム管理委員会の下部組織として,基幹病院および連携施設に専攻医の研修を管理する研修委員会を置き,委員長が統括します. 

2)専攻医外来対策委員会

外来トレーニングとしてふさわしい症例(主に初診)を経験するために専攻医外来対策委員会を組織し,外来症例割当システムを構築します.未経験疾患患者の外来予定が研修センターから連絡がきたら,スケジュール調整の上,外来にて診療します.専攻医は外来担当医の指導の下,当該症例の外来主治医となり,一定期間外来診療を担当し,研修を進めます.

 

 11、専攻医の就業環境(労務管理)

専攻医の勤務時間,休暇,当直,給与等の勤務条件に関しては,専攻医の就業環境を整えることを重視します.原則として、山形大学医学部附属病院医員として採用します。

労働基準法を順守し,山形大学の「山形大学就業規則及び給与規則」に従います.専攻医の心身の健康維持の配慮については各施設の研修委員会と労働安全衛生委員会で管理します.特に精神衛生上の問題点が疑われる場合は臨床心理士によるカウンセリングを行います.専攻医は採用時に上記の労働環境,労働安全,勤務条件の説明を受けることとなります.プログラム管理委員会では各施設における労働環境,労働安全,勤務に関して報告され,これらの事項について総括的に評価します.

※本プログラムでは基幹施設,連携施設の所属の如何に関わらず,基幹施設である山形大学医学部附属病院の統一的な就業規則と給与規則で統一化していますが,このケースが標準系ということではありません.個々の連携施設において事情は様々ですが,専攻医に配慮のある明確な諸規則を用意いたします.

 

 12、専門研修プログラムの改善方法 

3ヵ月毎に研修プログラム管理委員会を山形大学医学部附属病院にて開催し,プログラムが遅滞なく遂行されているかを全ての専攻医について評価し,問題点を明らかにします.また,各指導医と専攻医の双方からの意見を聴取して適宜プログラムに反映させます.また,研修プロセスの進行具合や各方面からの意見を基に,プログラム管理委員会は毎年,次年度のプログラム全体を見直すこととします.  専門医機構によるサイトビジット(ピアレビュー)に対しては研修管理委員会が真摯に対応し,専門医の育成プロセスの制度設計と専門医の育成が保証されているかのチェックを受け,プログラムの改善に繋げます.

 

 13、修了判定 

日本内科学会専攻医登録評価システム(仮称)に以下のすべてが登録され,かつ担当指導医が承認していることをプログラム管理委員会が確認して修了判定会議を行います.

修了認定には,主担当医として通算で最低56疾患群以上の経験と計160症例以上の症例(外来症例は登録症例の1割まで含むことができる)を経験し,登録しなければなりません.

1)所定の受理された29編の病歴要約

2)所定の2編の学会発表または論文発表

3)JMECC受講(年1-2回;10月頃開催)

4)プログラムで定める講習会受講

5)指導医とメディカルスタッフによる360度評価の結果に基づき,医師としての適性に疑問がないこと.

 

 

 14、専攻医が専門研修プログラムの修了に向けて行うべきこと

専攻医は様式1(未定)を専門医認定申請年の1月末までにプログラム管理委員会に送付してください.プログラム管理委員会は3月末までに修了判定を行い,研修証明書を専攻医に送付します.その後,専攻医は日本専門医機構内科専門医委員会に専門医認定試験受験の申請を行ってください.

 

 15、研修プログラムの施設群 

山形大学医学部附属病院が基幹施設となり,山形県立中央病院、日本海総合病院、公立置賜総合病院、山形県立新庄病院、山形県立河北病院、山形市立病院済生館、米沢市立病院、北村山公立病院、鶴岡市立荘内病院、済生会山形済生病院、三友堂病院、至誠堂病院、山形病院、新庄徳洲会病院、石巻赤十字病院(以上、連携施設)、篠田総合病院、小国町立病院、最上町立病院、朝日町立病院、余目病院、みゆき会病院、鶴岡協立病院、国立米沢病院、白鷹町立病院、舟山病院(以上特別連携施設)などを加えた専門研修施設群を構築することで,より総合的な研修や地域における医療体験が可能となります.

 

 16、専攻医の受入数

山形大学医学部附属病院における専攻医の上限(学年分)は32名です.

山形大学医学部附属病院に卒後3年目で内科系講座に入局した後期研修医は過去3年間併せて45名で1学年1015名の実績があります.

山形大学医学部附属病院には各医局に割り当てられた雇用人員数に応じて,募集定員を 一医局あたり数名の範囲で調整することは可能です.

.           剖検体数は2013年度9体,2014年度15体です.

.           経験すべき症例数の充足について

.            

表.山形大学医学部附属病院診療科別診療実績

表.山形大学医学部附属病院診療科別診療実績

2014年実績

入院患者実数
(人/年)

外来延患者数
(延人数/年)

1内科

32,843

36,491

2内科腫瘍内科

19,615

24,743

3内科

18,265

28,890

 

上記表の入院患者についてDPC病名を基本とした各診療科における疾患群別の入院患者数と外来患者疾患を分析したところ,全70疾患群のうち,53において充足可能でした.従って残り17疾患群のうち,3つを連携施設で経験すれば56疾患群の修了条件を満たすことができます.

専攻医3年目に研修する連携施設・特別連携施設には,高次機能・専門病院2施設,地域連携病院1施設および僻地における医療施設の4施設があり,専攻医のさまざま希望・将来像に対応可能です.

 

 

 17、Subspecialty領域

内科専攻医になる時点で将来目指すSubspecialty領域が決定していれば,各科重点コースを選択することになります.基本コースを選択していても,条件を満たせば各科重点コースに移行することも可能です.内科専門医研修修了後,各領域の専門医(例えば循環器専門医)を目指します.

 

 18、研修の休止・中断,プログラム移動,プログラム外研修の条件

1)出産,育児によって連続して研修を休止できる期間を6カ月とし,研修期間内の調整で不足分を補うこととします.6か月以上の休止の場合は,未修了とみなし,不足分を予定修了日以降に補うこととします.また,疾病による場合も同じ扱いとします.

2)研修中に居住地の移動,その他の事情により,研修開始施設での研修続行が困難になった場合は,移動先の基幹研修施設において研修を続行できます.その際,移動前と移動先の両プログラム管理委員会が協議して調整されたプログラムを摘要します.この一連の経緯は専門医機構の研修委員会の承認を受ける必要があります.   

 

 19、専門研修指導医

指導医は下記の基準を満たした内科専門医です.専攻医を指導し,評価を行います.

【必須要件】

1.         内科専門医を取得していること
2.         専門医取得後に臨床研究論文(症例報告含む)を発表する(「first author」もしくは「corresponding author」であること).もしくは学位を有していること .
3.         厚生労働省もしくは学会主催の指導医講習会を修了していること.
4.         内科医師として十分な診療経験を有すること.

 

(選択とされる要件(下記の 12 いずれかを満たすこと】

1.         CPCCC,学術集会(医師会含む)などへ主導的立場として関与・参加すること
2.         日本内科学会での教育活動(病歴要約の査読,JMECC のインストラクターなど)

 ※但し,当初は指導医の数も多く見込めないことから,すでに「総合内科専門医」を取得している方々は,そもそも「内科専門医」より高度な資格を取得しているため,申請時に指導実績や診療実績が十分であれば,内科指導医と認めます.また,現行の 日本内科学会の定める指導医については,内科系Subspecialty専門医資格を 1 回以上の更新歴がある者は,これまでの指導実績から,移行期間(2025 年まで)においてのみ指導医と認めます.

 

 20、専門研修実績記録システム,マニュアル等

専門研修は別添の専攻医研修マニュアルにもとづいて行われます.専攻医は別添の専攻医研修実績記録に研修実績を記載し,指導医より評価表による評価およびフィードバックを受けます.総括的評価は臨床検査専門医研修カリキュラムに則り,少なくとも年1回行います.

 

 21、研修に対するサイトビジット(訪問調査)

研修プログラムに対して日本専門医機構からのサイトビジットがあります.サイトビジットにおいては研修指導体制や研修内容について調査が行われます.その評価はプログラム管理委員会に伝えられ,必要な場合は研修プログラムの改良を行います.

 

 22、専攻医の採用と修了

1)採用方法

山形大学内科専門研修プログラム管理委員会は,毎年4月から専攻医の応募を受付けます.プログラムへの応募者は,930日までに研修プログラム責任者宛に所定の形式の『山形大学内科専門研修プログラム応募申請書』(準備未)および履歴書を提出してください.申請書は(1) 山形大学臨床研修センターのwebsite (http://www.id.yamagata-u.ac.jp/kenshu/index.html)よりダウンロード,(2)電話で問い合わせ(023-628-5017)(3) e-mailで問い合わせ(isokoho@jm.kj.yamagata-u.ac.jp),のいずれの方法でも入手可能です.原則として10月中に書類選考および面接を行い,採否を決定して本人に文書で通知します.応募者および選考結果については12月の山形大学内科専門研修プログラム管理委員会において報告します.

 

2)研修開始届け

研修を開始した専攻医は,各年度の41日までに以下の専攻医氏名報告書を,山形大学内科専門研修プログラム管理委員会および,日本専門医機構内科領域研修委員会に提出します.

 

専攻医の氏名と医籍登録番号,内科医学会会員番号,専攻医の卒業年度,専攻医の研修開始年度(様式###

.           専攻医の履歴書(様式15-3号)

.           専攻医の初期研修修了証

 

3)研修の修了

全研修プログラム終了後,プログラム統括責任者が召集するプログラム管理委員会にて審査し,研修修了の可否を判定します.審査は書類の点検と面接試験からなります.

点検の対象となる書類は以下の通りです.

(1) 専門研修実績記録

(2) 「経験目標」で定める項目についての記録

(3) 「臨床現場を離れた学習」で定める講習会出席記録

(4) 指導医による「形成的評価表」

面接試験は書類点検で問題にあった事項について行われます.

以上の審査により,内科専門医として適格と判定された場合は,研修修了となり,修了証が発行されます.

 

山形大学医学部内科専門医研修マニュアル

1、研修後の医師像と終了後に想定される勤務形態や勤務先

1)地域医療における内科領域の診療医(かかりつけ医):地域において常に患者と接し,内科慢性疾患に対して,生活指導まで視野に入れた良質な健康管理・予防医学と日常診療を実践します.地域の医院に勤務(開業)し,実地医家として地域医療に貢献します.

2)内科系救急医療の専門医:病院の救急医療を担当する診療科に所属し,内科系急性・救急疾患に対してトリアージを含めた適切な対応が可能な,地域での内科系救急医療を実践します.

3)病院での総合内科(Generality)の専門医:病院の総合内科に所属し,内科系の全領域に広い知識・洞察力を持ち,総合的医療を実践します.

4)総合内科的視点を持ったsubspecialist:病院で内科系のSubspecialty,例えば消化器内科や循環器内科に所属し,総合内科(Generalist)の視点から,内科系subspecialistとして診療を実践します.

  2、専門研修の期間

内科専門医は2年間の初期臨床研修後に設けられた専門研修(後期研修)3年間の研修で育成されます.

 

  3、研修施設群の各施設名

 

   基幹病院:山形大学医学部附属病院

   連携施設:山形県立中央病院
         
日本海総合病院
         
公立置賜総合病院
         山形県立新庄病院
         山形県立河北病院
         山形市立病院済生館
         米沢市立病院
         北村山公立病院
         
鶴岡市立荘内病院
         
済生会山形済生病院
         
三友堂病院至
         
至誠堂総合病院
         
東北中央病院
         国立山形病院
         新庄徳洲会病院
         
石巻赤十字病院  (以上、連携施設)
         
篠田総合病院
         
高畠町立病院
         
小国町立病院
         
最上町立病院
         
朝日町立病院
         
庄内余目病院
         
みゆき会病院
         
鶴岡協立病院
         
国立米沢病院
         
白鷹町立病院
         
舟山病院
         
真室川町立病院  (以上特別連携施設)

 

   プログラムに関わる委員会と委員,および指導医名

1)研修プログラム管理運営体制

本プログラムを履修する内科専攻医の研修について責任を持って管理するプログラム管理委員会を山形大学医学部に設置し,その委員長と各内科から1名ずつ管理委員を選任します.プログラム管理委員会の下部組織として,基幹病院および連携施設に専攻医の研修を管理する研修委員会を置き,委員長が統括します.

2)指導医一覧

別途用意します.

   5、各施設での研修内容と期間

本プログラムでは専攻医が抱く専門医像や将来の希望に合わせて以下の3つのコース,①内科基本コース,②各科重点コース,の2つを準備しています

Subspecialtyが未決定,または総合内科専門医を目指す場合は内科基本コースを選択します.専攻医は各内科学部門ではなく,総合医学教育研修センター(研修センター)に所属し,3年間で各内科や内科臨床に関連ある救急部門などを3ヵ月毎にローテートします.将来のSubspecialtyが決定している専攻医は各科重点コースを選択し,各科を原則として2ヵ月毎,研修進捗状況によっては1ヵ月~3ヶ月毎にローテーションします.また、第1内科、第2内科、第3内科、腫瘍内科で別途、プログラムを作成し、希望に応じます。各科入局予定者は、各科で相談してください。希望科がない場合は、高度医療人研修センター(山形大学医学部地域医療人キャリアアップ推進講座内)に所属し,3年間で各内科や内科臨床に関連ある救急部門などをローテートします。

基幹施設である山形大学医学部附属病院での研修が中心になるが,関連施設での研修は必須であり,原則1年間はいずれかの関連施設で研修します.

連携施設では基幹病院では経験しにくい領域や地域医療の実際について学ぶことができます.特に小国町立病院では僻地医療に貢献する重要性を学びます.

 

 6、主要な疾患の年間診療件数

内科専門医研修カリキュラムに掲載されている主要な疾患については,山形大学医学部附属病院(基幹病院)のDPC病名を基本とした各内科診療科における疾患群別の入院患者数(H26年度)を調査し,ほぼ全ての疾患群が充足されることが解っています(10の疾患群は外来での経験を含めるものとします).ただし,研修期間内に全疾患群の経験ができるように誘導する仕組みも必要であり,初期研修時での症例をもれなく登録すること,外来での疾患頻度が高い疾患群を診療できるシステム(外来症例割当システム)を構築することで必要な症例経験を積むことができます.

 

 7、年次ごとの症例経験到達目標を達成するための具体的な研修の目安

内科基本コース(別紙1)

1)高度な総合内科(Generality)の専門医を目指す場合や,将来のSubspecialtyが未定な場合に選択します.内科基本コースは内科の領域を偏りなく学ぶことを目的としたコースであり,後期研修期間の3年間において内科領域を担当する全ての科をローテーションします.原則として3ヵ月を1単位として,1年間に4科,2年間で延べ8科をローテーションし,3年目は地域医療の経験と症例数が充足していない領域を重点的に連携施設で研修します.研修する連携施設の選定は専攻医と面談の上,プログラム統括責任者が決定します.

2)各科重点コース(別紙2)

希望するSubspecialty領域を重点的に研修するコースです.研修開始直後の4か月間は希望するSubspecialty領域にて初期トレーニングを行います.この期間,専攻医は将来希望する内科において理想的医師像とする指導医や上級医師から,内科医としての基本姿勢のみならず,目指す領域での知識,技術を学習することにより,内科専門医取得へのMotivationを強化することができます.その後,2ヵ月間を基本として他科をローテーションします.研修3年目には原則1年間,連携施設における当該Subspecialty科において内科研修を継続し,Subspecialty領域を重点的に研修するとともに,充足していない症例を経験します.研修する連携施設の選定は専攻医と面談の上,希望するSubspecialty領域の責任者とプログラム統括責任者が協議して決定します.なお,研修中の専攻医数や進捗状況により,初年度から連携施設での重点研修を行うことがありますが,あくまでも内科専門医研修が主体であり,重点研修は最長1年間とします.また,専門医資格の取得と臨床系大学院への進学を希望する場合は,本コースを選択の上,担当教授と協議して大学院入学時期を決定します.

 

 8、   プログラムに関わる委員会と委員,および指導医名

1) 研修プログラム管理運営体制

本プログラムを履修する内科専攻医の研修について責任を持って管理するプログラム管理委員会を山形大学医学部に設置し,その委員長と各内科から1名ずつ管理委員を選任します.プログラム管理委員会の下部組織として,基幹病院および連携施設に専攻医の研修を管理する研修委員会を置き,委員長が統括します.

2) 指導医一覧

別途用意します.

 

 9、プログラム修了の基準

専攻医研修3年目の3月に研修手帳を通して経験症例,技術・技能の目標達成度について最終的な評価を行います.29例の病歴要約の合格,所定の講習受講や研究発表なども判定要因になります.

最終的には指導医による総合的評価に基づいてプログラム管理委員会によってプログラムの修了判定が行われます.

 

 10、専門医申請に向けての手順

日本内科学会専攻医登録評価システム(J-OSLER)を用います.同システムでは以下をweb ベースで日時を含めて記録します.具体的な入力手順については内科学会HPから専攻研修のための手引きをダウンロードし,参照してください.

専攻医は全70 疾患群の経験と200 症例以上を主担当医として経験することを目標に,通算で最低56 疾患群以上160 症例の研修内容を登録します.指導医はその内容を評価し,合格基準に達したと判断した場合に承認を行います.

指導医による専攻医の評価,メディカルスタッフによる360 度評価,専攻医による逆評価を入力して記録します.

29 症例の病歴要約を指導医が校閲後に登録し,専門研修施設群とは別の日本内科学会病歴要約評価ボード(仮称)によるピアレビューを受け,指摘事項に基づいた改訂をアクセプトされるまでシステム上で行います.

専攻医は学会発表や論文発表の記録をシステム上に登録します.

専攻医は各専門研修プログラムで出席を求められる講習会等(例:CPC,地域連携カンファレンス,医療倫理・医療安全・感染対策講習会)の出席をシステム上に登録します.

 

 11、プログラムにおける待遇

専攻医の勤務時間,休暇,当直,給与等の勤務条件に関しては,労働基準法を順守し、山形大学医学部附属病院委員として採用し,山形大学就業規則及び給与規則に従います.専攻医の心身の健康維持の配慮については各施設の研修委員会と労働安全衛生委員会で管理します.特に精神衛生上の問題点が疑われる場合は産業医によるカウンセリングを行います.専攻医は採用時に上記の労働環境,労働安全,勤務条件の説明を受けます.プログラム管理委員会では各施設における労働環境,労働安全,勤務に関して報告され,これらの事項について総括的に評価します.

 

 12、プログラムの特色

本プログラムでは専攻医が抱く専門医像や将来の希望に合わせて以下の2つのコース,①内科基本コース,②各科重点コース,を準備していることが最大の特徴です.コース選択後も条件を満たせば他のコースへの移行も認められます.また,外来トレーニングとしてふさわしい症例(主に初診)を経験するために外来症例割当システムを構築し,専攻医は外来担当医の指導の下,当該症例の外来主治医となり,一定期間外来診療を担当し,研修を進めることができます.

 

 13、継続したSubspecialty領域の研修の可否

内科学における13 Subspecialty領域を順次研修します.基本領域の到達基準を満たすことができる場合には,専攻医の希望や研修の環境に応じて,各Subspecialty領域に重点を置いた専門研修を行うことがありえます(各科重点コース参照).本プログラム終了後はそれぞれの医師が研修を通じて定めた進路に進むために適切なアドバイスやサポートを行います.

 

 14、逆評価の方法とプログラム改良姿勢

毎年3月に現行プログラムに関するアンケート調査を行い,専攻医の満足度と改善点に関する意見を収集し,次期プログラムの改訂の参考とします.アンケート用紙は別途定めます.

 

 15、研修施設群内で何らかの問題が発生し,施設群内で解決が困難な場合は,  日本専門医機構内科領域研修委員会に相談します.

 

山形大学医学部附属病院内科専門研修プログラム

指導医マニュアル

 

1)専攻医研修ガイドの記載内容に対応したプログラムにおいて期待される
指導医の役割

1人の担当指導医(メンター)に専攻医1人が山形大学医学部附属病院内科専門研修プログラム委員会により決定されます.

担当指導医は,専攻医がweb にて日本内科学会専攻医登録評価システム(J-OSLER)にその研修内容を登録するので,その履修状況の確認をシステム上で行ってフィードバックの後にシステム上で承認をします.この作業は日常臨床業務での経験に応じて順次行います.

担当指導医は,専攻医がそれぞれの年次で登録した疾患群,症例の内容について,都度,評価・承認します.

担当指導医は専攻医と十分なコミュニケーションを取り,専攻医登録評価システム(J-OSLER)での専攻医による症例登録の評価や臨床研修センター(仮称)からの報告などにより研修の進捗状況を把握します.専攻医はSubspecialtyの上級医と面談し,専攻医が経験すべき症例について報告・相談します.担当指導医とSubspecialtyの上級医は,専攻医が充足していないカテゴリー内の疾患を可能な範囲で経験できるよう,主担当医の割り振りを調整します.

担当指導医はSubspecialty上級医と協議し,知識,技能の評価を行います.

担当指導医は専攻医が専門研修(専攻医)2年修了時までに合計29症例の病歴要約を作成することを促進し,内科専門医ボードによる査読・評価で受理(アクセプト)されるように病歴要約について確認し,形成的な指導を行います.

 

2)専門研修プログラムにおける年次到達目標と評価方法,ならびにフィードバックの方法と時期

年次到達目標は,内科専門研修において求められる「疾患群」,「症例数」,「病歴提出数」に示すとおりです.

担当指導医は,臨床研修センター(仮称)と協働して,3か月ごとに専攻医登録評価システム(J-OSLER)にて専攻医の研修実績と到達度を適宜追跡し,専攻医による研修手帳Web版への記入を促します.また,各カテゴリー内の研修実績と到達度が充足していない場合は該当疾患の診療経験を促します.

担当指導医は,臨床研修センター(仮称)と協働して,6か月ごとに病歴要約作成状況を適宜追跡し,専攻医による病歴要約の作成を促します.また,各カテゴリー内の病歴要約が充足していない場合は該当疾患の診療経験を促します.

担当指導医は,臨床研修センター(仮称)と協働して,6か月ごとにプログラムに定められている所定の学術活動の記録と各種講習会出席を追跡します.

担当指導医は,臨床研修センター(仮称)と協働して,毎年8月と2月とに自己評価と指導医評価,ならびに360 度評価を行います.評価終了後,1か月以内に担当指導医は専攻医にフィードバックを行い,形成的に指導します.2回目以降は,以前の評価についての省察と改善とが図られたか否かを含めて,担当指導医はフィードバックを形成的に行って,改善を促します.

 

3)個別の症例経験に対する評価方法と評価基準.
担当指導医はSubspecialtyの上級医と十分なコミュニケーションを取り,研修手帳Web版での専攻医による症例登録の評価を行います.

研修手帳Web版での専攻医による症例登録に基づいて,当該患者の電子カルテの記載,退院サマリ作成の内容などを吟味し,主担当医として適切な診療を行っていると第三者が認めうると判断する場合に合格とし,担当指導医が承認を行います.

    主担当医として適切に診療を行っていると認められない場合には不合格として,担当指導医は専攻医に研修手帳Web版での当該症例登録の削除,修正などを指導します.

 

4)日本内科学会専攻医登録評価システム(J-OSLER)の利用方法

専攻医による症例登録と担当指導医が合格とした際に承認します.

担当指導医による専攻医の評価,メディカルスタッフによる360 度評価および専攻医による逆評価などを専攻医に対する形成的フィードバックに用います.

専攻医が作成し,担当指導医が校閲し適切と認めた病歴要約全29 症例を専攻医が登録したものを担当指導医が承認します.

専門研修施設群とは別の日本内科学会病歴要約評価ボード(仮称)によるピアレビューを受け,指摘事項に基づいた改訂を専攻医がアクセプトされるまでの状況を確認します.

専攻医が登録した学会発表や論文発表の記録,出席を求められる講習会等の記録について,各専攻医の進捗状況をリアルタイムで把握します.担当指導医と臨床研修センター(仮称)はその進捗状況を把握して年次ごとの到達目標に達しているか否かを判断します.

担当指導医は,日本内科学会専攻医登録評価システム(J-OSLER)を用いて研修内容を評価し,修了要件を満たしているかを判断します.

 

 

5)逆評価と日本内科学会専攻医登録評価システム(J-OSLER)を用いた指導医の指導状況把握

専攻医による日本内科学会専攻医登録評価システム(J-OSLER)を用いた無記名式逆評価の集計結果を,担当指導医,施設の研修委員会,およびプログラム管理委員会が閲覧します.集計結果に基づき,山形大学医学部附属病院内科専門研修プログラムや指導医,あるいは研修施設の研修環境の改善に役立てます.

 

6)指導に難渋する専攻医の扱い

必要に応じて,臨時(毎年8月と2月とに予定の他に)で,日本内科学会専攻医登録評価システム(J-OSLER)を用いて専攻医自身の自己評価,担当指導医による内科専攻医評価およびメディカルスタッフによる360 度評価(内科専門研修評価)を行い,その結果を基に山形大学医学部附属病院内科専門研修プログラム管理委員会で協議を行い,専攻医に対して形成的に適切な対応を試みます.状況によっては,担当指導医の変更や在籍する専門研修プログラムの異動勧告などを行います.

 

7)プログラムならびに各施設における指導医の待遇

山形大学医学部附属病院給与規定によります.

 

8)FD 講習の出席義務

厚生労働省や日本内科学会の指導医講習会の受講を推奨します.

指導者研修(FD)の実施記録として,日本内科学会専攻医登録評価システム(J-OSLER)を用います.

 

9)日本内科学会作製の冊子「指導の手引き」(仮称)の活用

内科専攻医の指導にあたり,指導法の標準化のため,日本内科学会作製の冊子「指導の手引き」(仮称)を熟読し,形成的に指導します.

 

10)研修施設群内で何らかの問題が発生し,施設群内で解決が困難な場合の相談先

日本専門医機構内科領域研修委員会を相談先とします.

11)その他

特になし.

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